日本株は現物か信用で取引している人が多いと思いますが、一部の証券会社では個別株式CFDを取引できます。
株式CFDは5倍のレバレッジがあり、信用取引と違って返済期限がない、1株でも買えるなどの多くのメリットがあります。
日経225CFDなど株価指数CFDを取り扱う証券会社は多いですが、企業の個別株式CFDの扱いがある証券会社は少ないです。
このページではIG証券とPayPay証券の日本株CFDを紹介します。
- IG証券の日本株CFD・・・しっかり投資したい人向け
- PayPay証券の日本株CFD・・・金額指定で手軽に投資したい人向け
なお、こちらのページで株式CFDのメリット、デメリットを説明しています。現物取引と比較していますので、こちらもご覧ください。
IG証券とPayPay証券の比較
IG証券とPayPay証券を簡単に比較すると下図のとおりです。
売買単位、取り扱い銘柄数、取引コストで大きな違いがあります。
IG証券は取り扱い銘柄数の多さが利点です。単元数(100株)の制限や決済期限もないため、信用取引よりも柔軟に取引できます。
IG証券では米国個別株式CFDの取り扱いもあるので、日本株と米国株のどちらも投資したい人にもお勧めです。
PayPay証券は1万円から金額指定で売買できるのが特徴です。金額を指定するので、資金面でのハードルが下がり、初心者でも気軽に投資できます。
- IG証券は取り扱い銘柄が多い。1株単位に売買できる。
- PayPay証券は1万円から金額単位に売買できる。
① 売買単位
IG証券の売買単位は株数単位です。ただし、CFD取引なので1株から売買できます。
現物取引や信用取引では単元数(100株)単位でしか売買できませんが、CFDにはその制限がありません。
PayPay証券の売買単位はこれまでの「株数単位」ではなく「金額単位」です。1万円から売買したい金額を指定して、金額分の株を売買します。
金額指定なので、1株の価格に満たない金額でも売買できます。例えば1株の株価が7万円以上するような銘柄でも、1万円分で購入することができます。
ファーストリテイリングを例にすると、現物では750万円、信用取引でも230万円が必要です。株式CFDではレバレッジが5倍あるので、必要な証拠金は1/5となります。
例えば株価が7万円の場合は以下となります。
IG証券 | PayPay証券 |
---|---|
必要最低証拠金:1.4万円 ポジション金額:7万円 |
必要最低証拠金:1万円 ポジション金額:5万円 |
IG証券で1株を売買する場合、5倍のレバレッジがあるため、最低必要証拠金額は1/5の1.4万円です。
PayPay証券で1万円分を売買する場合、5倍のレバレッジがあるのでポジションは5万円となり、株数に換算すると0.67株相当となります。
上図のように現物株と株式CFDを比較した場合、必要最低資金がどれほど違うか分かると思います。
② 取り扱い銘柄数
株式CFDの取り扱い銘柄の数はIG証券の方が多いです。
比較項目 | IG証券 | PayPay証券 |
---|---|---|
取り扱い銘柄数 | 多い 約1,000銘柄 |
少ない 38銘柄 |
IG証券は約1,000銘柄の取り扱いがあります。
大企業から新興企業まで多くの銘柄がありますが、中には取り扱いがないものもあります。例えば東証マザーズの銘柄の中にはIG証券で取り扱いがないものもあります。
PayPay証券はファーストリテイリング、オリエンタルランドなど日本を代表するメジャー企業の銘柄のみ取り扱いがあります。
日本の株取引はまだ現物と信用が主体なので、CFDで取り扱いがない銘柄は他の証券会社で現物/信用取引をするしかありません。
どちらの証券会社も銘柄の追加は行っていますので、今後の拡充に期待です。
③ 取引コスト
取引コストはIG証券が取引手数料制、PayPay証券がスプレッド制なので、根本から方式が異なります。
比較項目 | IG証券 | PayPay証券 |
---|---|---|
取引コスト | 取引手数料制 | スプレッド制 |
株式CFDの取引コストの内訳は、主に「取引手数料」「金利調整額」「スプレッド」の3つがあります。それぞれを各証券会社ごとに詳しく説明します。
比較項目 | IG証券 | PayPay証券 |
---|---|---|
取引手数料 | 有り | 無し |
金利調整額 | 有り | 有り |
スプレッド | 無し | 有り |
- IG証券は取引手数料制。
- PayPay証券はスプレッド制。
- 金利調整額はどちらも発生する。
取引手数料
取引手数料は1回の取引ごとに発生する手数料です。新規建ての場合と決済の場合で発生するので、往復で2回分の取引手数料が発生します。
IG証券 | PayPay証券 |
---|---|
110円@1取引ごと 0.055%@1株 |
無し |
IG証券の取引手数料は、IG証券は1回の取引ごとに発生するものと、1株ごとに発生するものがあります。
取引ごとの手数料は110円@1取引です。
また、1株ごとに約定額の0.055%の取引手数料が発生します。株価が7.5万円のときに1株買ったとすると41.25円(75,000×0.055%)です。
合計すると151.25円の取引手数料ということになります。
PayPay証券はスプレッド制なので取引手数料はありません。後述するスプレッドが手数料に相当します。
スプレッド
スプレッドは買い価格と売り価格の差額です。
IG証券 | PayPay証券 |
---|---|
無し | ある(1%程度) ※銘柄や市場動向で変動 |
PayPay証券は取引手数料が無い代わりにスプレッド(買いと売りの価格差)があり、これが取引コストになります。
スプレッドは銘柄や市場動向によって変動します。
ファーストリテイリングの例で実際の取引画面を比べます。
仮に10万円の株価でIG証券で1株、PayPay証券で2万円分で売買したとして、取引手数料とスプレッドを合計した取引コストを計算してみます。
IG証券は1取引あたり110円と約定代金の0.055%(55円)なので、165円となります。往復で発生するので、合計は取引コストは330円です。
PayPay証券はスプレッドを1%と仮定すると取引コストは1,000円です。
金利調整額
金利調整額はオーバーナイト金利やファンディングコストとも呼ばれます。翌日にポジションを持ち越すことで発生する支払い額です。
逆にポジションを持つことで受け取れる調整額もあり、それが権利調整額です。権利調整額は株式の配当金に相当します。
調整額の種類 | 説明 |
---|---|
金利調整額 | 支払うコスト |
権利調整額 | 受け取る利息(配当) |
株式CFDを買うときには、権利調整額>金利調整額となる銘柄を買えば長期で保有してもマイナスにならず、逆にインカムゲインとなります。
高配当銘柄をCFDのレバレッジを使って、配当目的に投資するのもアリです。
IG証券の計算式
PayPay証券の計算式
基準金利を-0.01%として、7.5万円を約定代金として1日あたりに発生する金利調整額を計算します。
IG証券 | PayPay証券 |
---|---|
5.2円 | 7.3円 |
PayPay証券の方が金利調整額は高くなっています。
少額のポジションを短期で持つのであれば大きな差にはなりませんが、多額のポジションを長期で持つのであれば差が出てきます。最初から大きなポジションを持つ場合はIG証券のほうが良いかもしれません。
1万円ずつ毎月積み立てをするなどの場合は、金利が多少高くてもPayPay証券の方が良いと言えます。
このページでは日本株式CFDを取引できるPayPay証券、IG証券の日本株CFDについて紹介、比較しました。どちらも使い勝手がよいので、日本株式CFD以外の投資でも活用してみてください。
株式CFDの始め方をこちらのページでまとめています。
「日米個別株式CFDの始め方」「証券会社の比較」「株式CFDの配当と金利」をまとめているのでご覧ください。
CFD投資におすすめの証券会社です。
① IG証券
IG証券はFX、バイナリオプション、CFDなどのリーディングカンパニーです。様々な金融商品を幅広く取り扱っており、持っておくと便利な口座です。
日本国内で開設できる証券会社の中ではCFDの種類と銘柄数が圧倒的に多いです。特に株式CFDの取り扱い銘柄数が多く、個別株でCFD投資するなら必須の口座です。日本株、米国株のどちらも取り扱いがあります。
IG証券の口座はFXや債券なども取引できるオールインワン口座です。ノックアウトオプションなどの新しい商品もあるので持っておくと便利です。
② GMOクリック証券
GMOクリック証券ではCFDの他、株の現物・信用取引、投資信託、FXなどを幅広く取り扱っています。個別株CFDは米国株の取り扱いのみで日本株はありません。
取引手数料が0円のため、特に米国の個別株でCFD投資するなら必須の口座です。マイクロソフト、アップル、ディズニー、ナイキなど、代表的な銘柄をCFDで買うことができます。
シンプルな取引ルールとアプリ画面のため、初心者にはおすすめの証券口座です。まず小さくCFD投資を始めてみたいという人はここから始めると良いと思います。
③ 楽天証券
つみたてNISAなど投資信託の購入で楽天ポイントがもらえることで有名な楽天証券でもCFDの取り扱いが始まりました。株価指数CFDと商品CFDの取り扱いがあります。
FX取引ツールでお馴染みのMT4(Meta Trader 4)をプラットフォームとして採用していることが特徴です。MT4を使ったことが無い人にとってはとっつきにくいかもしれませんが、馴染みがある人には利用しやすいと思います。
MT4ではテクニカル分析や、それに基づいて自動売買をすることも可能です。CFD取引で自動売買Botなどを利用したい場合には利用メリットがあります。
④ ひまわり証券
FXの自動売買で有名なループイフダンやくりっく株365の自動売買であるループ株365など、自動売買で定評のある証券会社です。
くりっく株365の株価指数はループ株365を使うこともできますし、使わずに1枚ずつ取引することもできます。ループ株365は複数本の発注を出すため多くの資金が必要なので、初心者の場合はまずマニュアルで1枚ずつ取引するのがおすすめです。
くりっく株365は店頭CFDと比べてレバレッジが高いため、少額で大きな利益を狙いたい人にもおすすめの口座です。