CFD取引では金利の支払いが発生します。
「金利調整額」「ファンディングコスト」「オーバーナイト金利」とも呼ばれ、証券会社によって呼び方が異なります。そのまま「資金調達コスト」と呼んでいるところもあります。
CFDの金利とは?
CFD取引で発生する金利とは、簡単に言うとCFDの「資金調達コスト」です。
一般的にCFDが長期保有には向かないとされるのは、金利が「ポジションを翌日に持ち越す」ことで常に(毎日)発生するコストだからです。
CFDで金利が発生するかどうかは、そのCFDの参照原資産(以降、原資)に関係します。
基本的に、先物を原資とするCFDでは金利は発生せず、それ以外(現物やETF)を原資とするCFDでは金利が発生します。
ただし、取引の観点では「この証券会社のこの銘柄は金利が発生する/しない」で理解していればOKです。
例えば、同じ日経平均を参照するCFDでも、証券会社によって金利の有無は変わります。さらに(ややこしいですが)同じ証券会社の日経平均CFDでも、原資によって金利の有無が変わったりします。
取り扱い銘柄ごとの金利発生のある/なしは、各証券会社のHPに載っています。しかし、少しややこしいので、このページでは代表的な銘柄について整理します。
- CFDではポジションを翌日に持ち越すことで金利コストが発生する。
- 金利が発生するかどうかはCFDの原資で異なる。
原資産 | 金利 |
---|---|
先物 | × |
現物/ETF | ○ |
ただし、取引の観点では「この証券会社のこの銘柄は金利がある/ない」で理解しておけばOK。
CFDと金利のある/なし
CFDはGMOクリック証券やIG証券で取引できます。
a href=”https://fintech-asp.com/log/250/0/186/1079/928eefa2e4d5f62732fba25822cff9a712520678″ rel=”nofollow” target=”_blank”>GMOクリック証券のHPでは、取扱銘柄ごとに金利のある/なしが分かりやすくまとまっています。
このページでも代表的な銘柄について記載しますが証券会社のHPを確認してください。
IG証券は取扱銘柄数がGMOクリック証券より多く、例えば同じゴールドCFDでも原資の異なる複数の取り扱いがあります。
証券会社のHPだと分かりづらいので、このページで代表的な銘柄についてまとめます。
▼GMOクリック証券
CFD | 原資産 | 金利 |
---|---|---|
株式CFD | 株式 | ○ |
株価指数CFD | 先物(※1) | × |
ETF(※2) | ○ | |
商品CFD | 金・銀スポット | ○ |
上記以外(※3) | × |
(※1)先物を原資産とする株価指数CFDは、日経平均、米国ダウ、米国NASDAQ、米国S&P500、イギリスFTSE、ドイツDAXなどです。
(※2)ETFを原資産とする株価指数CFDは、カナダ株価指数、ブラジル株価指数、インドネシア株価指数などです。
(※3)商品CFDの金・銀スポット以外は、原油、天然ガス、コーン、大豆です。
GMOクリック証券は銘柄ごとに区分がカチッと決まっているので分かりやすいです。
▼IG証券
IG証券のCFDは少し分かりづらいです。
株式CFD以外は「期限なし」と「先物」の2種類が存在します。「期限なし」は金利ありで「先物」は金利無しです。
例えば、アプリの取引画面では「日経225株価指数」「日経225株価指数先物」という表示になっています。うっかり間違えて選択しないように注意しましょう。
CFD | 種類 | 金利 |
---|---|---|
株式CFD | 株式 | ○ |
株価指数CFD | 期限なし | ○ |
先物 | × | |
商品CFD | 期限なし | ○ |
先物 | × | |
債券先物CFD | 期限なし | ○ |
先物 | × |
IG証券では、同じ株価指数CFDや商品CFDでも「期限なし」と「先物」という2種類が存在します。これが分かりづらい理由ですが、名称でちゃんと判別できます。
株価指数CFDの場合、例えば日経平均なら「日経225株価指数」「日経225株価指数先物」のように名称で区別できます。
また、例えばS&P500は「米国500種株価指数」だけで「先物」はありません。
商品CFDの場合、例えば金(ゴールド)なら「期限なし」は「スポット金」や「ミニ・スポット金」であり、「先物」は「NY金先物」のように名称で区別できます。
証券会社のHPや取引アプリの画面表記がややこしいので混乱してしまいそうですが、このページで紹介した表と画面に表示されている名称を比べれば間違わないと思います。
なお、正確には先物原資のCFDには金利がないというよりも、先物はそもそも配当や金利を織り込んで価格構成されるので、最初から織り込まれているということになります。
- ややこしく感じるが、CFDの原資が「先物かどうか」で「金利のある/なし」が決まる。
- 証券会社ごとに取引したい銘柄の金利の有無を確認しておけばOK。
- IG証券では同じ銘柄で原資がことなるCFDがあるので間違えないように。
金利の計算式
金利の計算式は証券会社で異なり、銘柄によっても計算式が変わります。
ここでは基本の計算式を説明します。銘柄によっても計算式は変わるため、正確な計算式ではありませんが、ほぼ近い値で金額をとらえることができます。
この式で計算される金額が、ポジションを翌日に持ち越す度に発生します。
▼GMOクリック証券
(※)適用金利は株式CFD、株価指数CFDの場合に適用される。
10万円のポジションであれば8円/日くらいです。
▼IG証券
(※)適用金利は株式CFD、株価指数CFDの場合に適用される。
10万円のポジションであれば7円/日くらいです。
なお、適用金利は銘柄によって異なりますが、円建ての株式CFDや株価指数CFDでは「-0.01」ほど、ドル建ての株式CFDや株価指数CFDでは「0.25」ほどです。
※金利は変動するため、2020年基準の参考値です。世界的に低金利の現在は、金利コストも小さくなります。
さらに細かい条件と計算式を知りたい人は、IG証券のHPで銘柄ごとに(複雑ですが)説明があります。係数の部分が変わるだけで、GMOクリック証券も同様です。
- 金利の計算式に証券会社で大きな差はない。
最後に、これからCFDの口座を開設する人は、どちらかといえばGMOクリック証券をお勧めします。GMOクリック証券は業界最大手で、手数料も安いです。
IG証券のCFDは、GMOクリック証券に比べて圧倒的に種類が多く選択肢は広いですが、初心者は少し混乱してしまうかもしれません。
代表的なCFDだけを取引するならGMOクリック証券で問題ないと思います。ただし、株式CFDはGMOクリック証券の取扱銘柄が少ないため、IG証券が必要になります。
そもそもCFDとは何か?についてはこちらのページでまとめています。「CFDの仕組み」「3種の調整額「金利」をまとめているのでご覧ください。
CFD投資におすすめの証券会社です。
① IG証券
IG証券はFX、バイナリオプション、CFDなどのリーディングカンパニーです。様々な金融商品を幅広く取り扱っており、持っておくと便利な口座です。
日本国内で開設できる証券会社の中ではCFDの種類と銘柄数が圧倒的に多いです。特に株式CFDの取り扱い銘柄数が多く、個別株でCFD投資するなら必須の口座です。日本株、米国株のどちらも取り扱いがあります。
IG証券の口座はFXや債券なども取引できるオールインワン口座です。ノックアウトオプションなどの新しい商品もあるので持っておくと便利です。
② GMOクリック証券
GMOクリック証券ではCFDの他、株の現物・信用取引、投資信託、FXなどを幅広く取り扱っています。個別株CFDは米国株の取り扱いのみで日本株はありません。
取引手数料が0円のため、特に米国の個別株でCFD投資するなら必須の口座です。マイクロソフト、アップル、ディズニー、ナイキなど、代表的な銘柄をCFDで買うことができます。
シンプルな取引ルールとアプリ画面のため、初心者にはおすすめの証券口座です。まず小さくCFD投資を始めてみたいという人はここから始めると良いと思います。
③ 楽天証券
つみたてNISAなど投資信託の購入で楽天ポイントがもらえることで有名な楽天証券でもCFDの取り扱いが始まりました。株価指数CFDと商品CFDの取り扱いがあります。
FX取引ツールでお馴染みのMT4(Meta Trader 4)をプラットフォームとして採用していることが特徴です。MT4を使ったことが無い人にとってはとっつきにくいかもしれませんが、馴染みがある人には利用しやすいと思います。
MT4ではテクニカル分析や、それに基づいて自動売買をすることも可能です。CFD取引で自動売買Botなどを利用したい場合には利用メリットがあります。
④ ひまわり証券
FXの自動売買で有名なループイフダンやくりっく株365の自動売買であるループ株365など、自動売買で定評のある証券会社です。
くりっく株365の株価指数はループ株365を使うこともできますし、使わずに1枚ずつ取引することもできます。ループ株365は複数本の発注を出すため多くの資金が必要なので、初心者の場合はまずマニュアルで1枚ずつ取引するのがおすすめです。
くりっく株365は店頭CFDと比べてレバレッジが高いため、少額で大きな利益を狙いたい人にもおすすめの口座です。