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株式CFDの配当(権利調整額)と金利(金利調整額)について分かりやすく解説。

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株式CFDとは「個別株」をCFDで投資する方法です。

CFDは「1株から売買できる」「レバレッジがある」など、多くのメリットがあります。また、CFDでも配当に相当する権利調整額を受け取れます。

しかし、CFDには「金利」というコストが発生するため、長期保有には向かないとも言われています。

このページでは「株式CFD」に特化して配当と金利の関係を解説します。

具体的にソニー(日本株)とマイクロソフト(米国株)で配当と金利を計算して説明します。また、数日間の短期で持つ場合だけでなく、1年間持った場合も考察しています。

このページで分かること
  • 株式CFDの配当と金利の考え方
  • ソニーとマイクロソフトを例に受け取れる配当と発生する金利の実例

全体的に株式CFDと現物株の違いを知りたい人はこちらのページで説明していますのでご覧ください。

CFD取引とは?仕組みとメリット
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株式CFDの調整額(配当・金利)

まず、株式CFDの調整額について説明します。

調整額は参照する原資産で発生のある/なしが異なっており、株式CFDでは配当に相当する「権利調整額」と、コストである「金利調整額」が発生します。

調整額 説明
価格調整額 先物を原資とするCFDの限月乗換時の価格差の調整
権利調整額 CFD銘柄の株式配当
金利調整額 CFDの調達コスト

価格調整額に打消し線が引いてありますが、株式CFDでは価格調整額はありません。先物を原資としていないので、限月乗換が発生しないためです。

株式CFDの調整額(配当・金利)株式CFDの調整額(配当・金利)

▼権利調整額(配当)

権利調整額は、株式の配当に相当するもので、受け取る利益になります。

例えばソニーの場合、3月末と9月末に株式を持っていると配当があります。マイクロソフトの場合は4半期ごとに年4回の配当があります。

当たり前ですが、株式CFDの場合も現物株と同様に配当のない銘柄の株式CFDに配当は付与されません。

なお、現物株を持っているわけではないので、CFDの場合は株主優待はもらえません。この点は株の信用取引と同じです。

ちなみにCFDは空売りもできますが、空売りの場合は配当金の支払いになります。この点も株の信用取引と同じです。

▼金利調整額(コスト)

金利調整額は、CFDを作るときの調達コスト(資金調達コスト)です。

金利調整額はオーバーナイト金利やファンディングコストとも呼ばれます。GMOクリック証券では金利調整額、IG証券ではファンディングコストと表記されています。

金利調整額はポジションを翌日に持ち越すことで発生します。毎日発生するという点で、権利日にポジションを持っていると受け取れる権利調整額(配当金)とは異なります。

ただし、金利調整額は年間金利を分割で毎日支払うという形のため、日々の発生額は小さいです。計算式は後ほど説明します。

なお、金利調整額は基準金利で計算されるため、世界的に低金利な現代はコストが低くなっています。特に今の日本はマイナス金利という状態なので、非常に有利な時代と言えます。

  • 権利調整額は配当利益
  • 金利調整額は日々発生するコスト
  • 金利調整額はファンディングコストやオーバーナイト金利とも呼ばれる

株式CFDの金利の計算式

金利調整額はポジションを日付をまたいで保持していると発生します。基準金利を元に計算されますが、基準金利は国ごとに異なります。

金利の計算式は証券会社によって異なりますが、大きくは変わりません。以下にGMOクリック証券とIG証券の計算式を記載します。

▼GMOクリック証券

総取引金額 × 基準金利 ± 3% ÷ 360日

IG証券

総取引金額 × 基準金利 ± 2.5% ÷ 360日

現在(2020年ごろ)の基準金利は米国株(ドル建て)の場合は0.25%ほど、日本株(円建て)の場合は-0.01%ほどです。金利は変動しますが、日本はマイナス金利なのでとても有利な状況です。

ポイントは「÷360日」しているところで、年間金利なので一気に大きなコストになるわけではありません。チリ積なので長期間保持していると積み上がってしまいます。

ソニーとマイクロソフトを例に、1日でみた場合の金利と年間でみた場合の金利を計算します。

  • 世界的に低金利のため、金利調整額は小さい状況が続いている。

配当と金利の実績(ソニーとマイクロソフト)

2020年の配当と金利の実績をソニー(日本株)とマイクロソフト(米国株)で記載します。

株価と金利は変動するので、あくまで参考値としてみてください。

2020年12月のある日を例として1株の株価、最低必要証拠金は下表のとおりです。ドル円は103.6円とし、分かりやすくするためキリのよい値にしています。

なお株式CFDのレバレッジは5倍なので、1株買う場合の最低必要証拠金は株価の1/5です。

銘柄 株価 必要証拠金
ソニー 10,000円/株 2,000円/株
マイクロソフト 222ドル/株
(23,000円)
4,600円/株

▼権利調整額(配当)

2020年度の1株あたりの配当実績は下表のとおりです。

銘柄 配当 利回り
ソニー 45円(3月末)
50円(9月末)
0.64%
0.62%
マイクロソフト 0.56ドル(11月)
0.51ドル(8月)
0.51ドル(5月)
0.51ドル(2月)
1.04%
0.99%
1.05%
1.26%

1年間の配当合計と、年間の平均利回りは下表となります。

銘柄 配当合計 平均利回り
ソニー 95円 0.63%
マイクロソフト 2.6ドル
(269円)
1.09%

▼金利調整額(コスト)

次に、1株だけポジションを持った場合の金利を記載します。

なお、GMOクリック証券では日本株の株式CFDの取り扱いがないため、ソニーはIG証券でのみ記載します。

金利は1日だけ保持した場合と、1件間保持した場合をそれぞれ記載しています。

証券会社 銘柄 金利
IG証券 ソニー 0.7円/日
249円/年
マイクロソフト 1.8円/日
633円/年
GMOクリック証券 マイクロソフト 2.1円/日
748円/年

ソニーの配当は95円/年、マイクロソフトの配当は269円/年(103.6ドルの場合)なので、単純に株価が変わらなければ金利の分だけマイナスになります。

では、どれくらい株価が上昇すればプラスになるかを考えます。年間配当-年間金利は下表のとおりです。これを値上がり利益が上回ればプラスになります。

銘柄 株価 年間配当-年間金利
ソニー 10,000円/株 -154円 (95 – 249)
マイクロソフト 23,000円/株 -364円 (269 – 633)

ソニーもマイクロソフトも年間1.6%ほどの株価上昇があれば、トータルでプラスになることが分かります。年間1.6%の上昇は難しくないハードルです。

 

このように、株式CFDの金利は「配当<金利」となる場合にさえ、それほどマイナス要素にはならないことが分かります。

高配当銘柄で「配当>金利」の場合は、株価が変わらなければ持っているだけでプラスになります。

金利は2.5%~3.0%程度なので、配当利回りが3.5%~5%の高配当銘柄であれば、株価が変わらずとも金利負けせずに長期保有できます。

 

最後に、株式CFD投資のお勧めの戦略を記載します。それは「必要な資金が少なくなることを活かして、できるかぎり分散して買う」ことです。

株式CFDは5倍のレバレッジがあるため、現物で買うよりも少ない資金で取引できます。現物で10ポジション買える資金で、株式CFDなら50ポジション買えます(証拠金維持率100%とすれば)。

そこで、購入タイミングを複数回に分け、値下がりした時に押し目買いで平均購入単価を下げます。1回でまとめて買うよりもリスクを下げることができます。

ただし、証拠金維持率が100%に近いとロスカットのリスクがありますので、証拠金維持率は少なくとも200~300%くらいを考えておくのがよいと思います。

現物で50ポジション買える資金であれば、20~30ポジションくらいを目安に3~4回くらいに分けて買っていくといいと思います。

株式CFDの始め方をこちらのページでまとめています。

「日米個別株式CFDの始め方」「証券会社の比較」「株式CFDの配当と金利」をまとめているのでご覧ください。

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CFD投資におすすめの証券会社

CFD投資におすすめの証券会社です。

① IG証券


IG証券はFX、バイナリオプション、CFDなどのリーディングカンパニーです。様々な金融商品を幅広く取り扱っており、持っておくと便利な口座です。

日本国内で開設できる証券会社の中ではCFDの種類と銘柄数が圧倒的に多いです。特に株式CFDの取り扱い銘柄数が多く、個別株でCFD投資するなら必須の口座です。日本株、米国株のどちらも取り扱いがあります。

IG証券の口座はFXや債券なども取引できるオールインワン口座です。ノックアウトオプションなどの新しい商品もあるので持っておくと便利です。

② GMOクリック証券


GMOクリック証券ではCFDの他、株の現物・信用取引、投資信託、FXなどを幅広く取り扱っています。個別株CFDは米国株の取り扱いのみで日本株はありません。

取引手数料が0円のため、特に米国の個別株でCFD投資するなら必須の口座です。マイクロソフト、アップル、ディズニー、ナイキなど、代表的な銘柄をCFDで買うことができます。

シンプルな取引ルールとアプリ画面のため、初心者にはおすすめの証券口座です。まず小さくCFD投資を始めてみたいという人はここから始めると良いと思います。

③ 楽天証券


つみたてNISAなど投資信託の購入で楽天ポイントがもらえることで有名な楽天証券でもCFDの取り扱いが始まりました。株価指数CFDと商品CFDの取り扱いがあります。

FX取引ツールでお馴染みのMT4(Meta Trader 4)をプラットフォームとして採用していることが特徴です。MT4を使ったことが無い人にとってはとっつきにくいかもしれませんが、馴染みがある人には利用しやすいと思います。

MT4ではテクニカル分析や、それに基づいて自動売買をすることも可能です。CFD取引で自動売買Botなどを利用したい場合には利用メリットがあります。

④ ひまわり証券

くりっく株365
FXの自動売買で有名なループイフダンやくりっく株365の自動売買であるループ株365など、自動売買で定評のある証券会社です。

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くりっく株365は店頭CFDと比べてレバレッジが高いため、少額で大きな利益を狙いたい人にもおすすめの口座です。