高スワップのユーロ/ズロチ(EUR/PLN)をIG証券のFXまたはノックアウトオプションで行う場合のメリット、デメリットを比較しました。
結論として、スワップポイントが目的の場合はFXが良いです。
ノックアウトオプションは「資金効率」や「最大損失が限定」などでメリットがあります。
しかし「決済期日」や「ロスカット価格の変更不可」などでデメリットもあります。
これらはスワップ投資に向きません。
なお、ノックアウトオプションとは「ノックアウト価格」を選ぶことによって、自分で最大損失額とオプション料を決めることができるオプション取引です。
※外貨建て銘柄の場合、清算時の為替レートによっては最大損失額がオプション料を上回る場合があります。
詳しくはこちらのページで解説しています。
ユーロズロチのFX
IG証券のFXでユーロズロチを取引する場合の取引サイズ、最低取引数は以下のとおり。
取引サイズ(1ロットの通貨数) | 10,000 通貨 |
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最低取引数(最低ロット数) | 1 ロット |
なお、レバレッジは25です。
2022年7月18日の市況では1ロットの維持証拠金が約5.5万円でした。
ざっくり計算式を解説すると、ズロチでの維持証拠金は次のように計算できます。(少し画像とずれるのは、価格はリアルタイムで変動するため)
このときPLN/JPNが29.152円だったので、円での維持証拠金は次のように計算できます。
ユーロズロチのノックアウトオプション
IG証券のノックアウトオプションででユーロズロチを取引する場合の取引サイズ、最低取引数は以下のとおり。
取引サイズ(1ロットの通貨数) | 10,000 通貨 |
---|---|
最低取引数(最低ロット数) | 1 ロット |
ノックアウトオプションでは、ノックアウト価格(強制損切り価格)を選び、これに応じてオプション料が決まります。
以下の例では5.0をノックアウト価格に設定しています。
2022年7月18日の市況では1ロットのオプション料が約6.5万円でした。
なお、ノックアウト価格を5.0と広く設定しているので6.5万円のオプション料ですが、仮にノックアウトを4.8としたた場合のオプション料は2.3万円でした。
このように、ノックアウトオプションはノックアウト価格(強制損切り価格)を狭くすればするほど、オプション料は安くなります。
FXよりも資金効率が高いため、同じ投資予算でも多くのポジションを持つことができ、大きなリターンを狙えるのがノックアウトオプションの利点です。
しかし、このノックアウト価格はポジションを持ったあとに変更できないため、最初に広めに設定する必要があります。
そうすると、せっかくの資金効率が失われてしまいます。
ノックアウトオプションがユーロズロチのスワップ投資に向かない点は次の3つです。
- ノックアウト価格を広めに取る必要があり、資金効率が悪い
- ノックアウト価格を変更できない
- オプションなので期限がある
FXであれば、口座維持率がロスカット値に達しない限りポジションを持ち続けられます。
仮にロスカットしそうになれば入金して口座維持率を上げればロスカットはされません。
また、決済期日もないため、売りポジションのスワップを受け取り続けることで、ポジションを持つ期間が長いほど口座維持率を回復できます。
ノックアウトオプションでもスワップは受け取れますが、ノックアウト価格は変わりません。
決済益によるキャピタルゲインを狙うにはノックアウトオプションは有効ですが、スワップによるインカムゲインを狙うにはノックアウトオプションは不利です。
ユーロズロチのスワップポイント実績
ユーロ/ズロチを売りポジションで持って、高いスワップポイントを狙う方法は以前からありました。
2022年7月現在、ロシアのウクライナ侵攻でユーロ/ズロチが過去最高値を更新し、売りポジションを持つのに適した時期となっています。
また、インフレ対策でズロチの金利が上がり、受け取れるスワップポイントが大きくなり、ユーロ/ズロチが話題になっています。
2019年1月~2022年7月15日までの売りポジションのスワップポイントをグラフにしました。
売りスワップがマイナスになった時期もあるものの、ほとんどの時期はプラスです。
さらに、2022年になってから急激にスワップポイントが多くなっていることが分かります。
ユーロと比べ、ポーランドはさらに金利を上げることが見込まれますので、今後しばらくはユーロズロチの売りスワップが大きな期間が続くと思われます。
ユーロズロチ価格と金利差
ユーロズロチのチャートと、ユーロとポーランドの金利差をグラフにしました。
ローソク足がユーロズロチで、オレンジ色の折れ線がポーランド10年債金利からユーロ10年債金利を引いたもの(金利差)です。
期間は2017年7月~2022年7月の5年間です。
2021年の後半からポーランドとユーロの金利差が大きくなっており、これが売りスワップポイントが大きくなっている理由です。
また、ユーロズロチの価格も高値圏にあり、値上がり幅より値下がり幅のほうが大きくなっています。(あくまでも過去実績に照らしてであり、今後もそうなるとは限りませんが)
これがユーロズロチの売りスワップ狙いの投資人気が高まっている理由です。
今後、ユーロも値上げが行われることが確実ですが、それ以上にポーランドの利上げも見込まれます。
新興国のほうがインフレ影響が大きく、かつ通貨需要を考えると利上げに迫られる可能性が高いからです。
ただし、ウクライナ情勢次第でまたズロチが大きく売られ、ユーロズロチが5.0を大きく超える上昇をする可能性もあります。
ユーロズロチは5.0という高値圏にあり、かつ、かつてないほど高スワップとう好条件下にあります。
しかし、ユーロズロチは流動性の大きくない通貨ペアであり、欧州の地政学的リスクに大きく左右される通貨ペアであることは理解しておくべきだと思います。
CFD投資におすすめの証券会社です。
① IG証券
IG証券はFX、バイナリオプション、CFDなどのリーディングカンパニーです。様々な金融商品を幅広く取り扱っており、持っておくと便利な口座です。
日本国内で開設できる証券会社の中ではCFDの種類と銘柄数が圧倒的に多いです。特に株式CFDの取り扱い銘柄数が多く、個別株でCFD投資するなら必須の口座です。日本株、米国株のどちらも取り扱いがあります。
IG証券の口座はFXや債券なども取引できるオールインワン口座です。ノックアウトオプションなどの新しい商品もあるので持っておくと便利です。
② GMOクリック証券
GMOクリック証券ではCFDの他、株の現物・信用取引、投資信託、FXなどを幅広く取り扱っています。個別株CFDは米国株の取り扱いのみで日本株はありません。
取引手数料が0円のため、特に米国の個別株でCFD投資するなら必須の口座です。マイクロソフト、アップル、ディズニー、ナイキなど、代表的な銘柄をCFDで買うことができます。
シンプルな取引ルールとアプリ画面のため、初心者にはおすすめの証券口座です。まず小さくCFD投資を始めてみたいという人はここから始めると良いと思います。
③ 楽天証券
つみたてNISAなど投資信託の購入で楽天ポイントがもらえることで有名な楽天証券でもCFDの取り扱いが始まりました。株価指数CFDと商品CFDの取り扱いがあります。
FX取引ツールでお馴染みのMT4(Meta Trader 4)をプラットフォームとして採用していることが特徴です。MT4を使ったことが無い人にとってはとっつきにくいかもしれませんが、馴染みがある人には利用しやすいと思います。
MT4ではテクニカル分析や、それに基づいて自動売買をすることも可能です。CFD取引で自動売買Botなどを利用したい場合には利用メリットがあります。
④ ひまわり証券
FXの自動売買で有名なループイフダンやくりっく株365の自動売買であるループ株365など、自動売買で定評のある証券会社です。
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くりっく株365は店頭CFDと比べてレバレッジが高いため、少額で大きな利益を狙いたい人にもおすすめの口座です。