2022年の6月下旬、ドル円レートは24年ぶりの円安水準である136円台後半を付けました。なんと、この6月だけで、8円近くも円安が進みました。
新型コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などで世界的にインフレとなり、米国などが急速な利上げに踏み切って金利高となったことが要因です。
利上げに踏み切る海外とは反対に、日本は金融緩和の継続を表明して、前代未聞の規模の日本国債を買い入れ、金利の上昇を押さえつけています。
日米の金利差が大きくなり、円を売ってドルを買う動きが加速しています。一部の報道では「日本売り」という言葉も聞かれました。
また、米国の急速な利上げに端を発して、世界的な株安も進行しています。
こちらの「CFDの為替影響」でも説明しましたが、このような円安、金利高、株安は株式CFDや株価指数CFDには最悪の組み合わせです。
含み損が雪だるま式に膨れ上がり、取引手数料や金利コストが上がるからです。
次の図に「円安」「金利高」「株安」の影響をまとめました。
株高であれば、つまり含み益が出ていれば、円安はむしろメリットです。
しかし、含み損になってしまうと、円安はデメリットでしかありません。
まず、円安になると、ドル建ての資産は円換算で価値があがります。
100ドル円から120ドル円と円安が進むと、1ドルのドル建て資産は100円から120円と価値があがります。
ドル建ての現物株やETFなどがこれで、円安対策としてドル建て現物資産を持つことは意味があります。
ドル建て資産では、株価が下がったとしても、円安ドル高がそれを相殺するため、円換算ベースの資産価値では損失が小さくなったり、場合によっては利益が出たりします。
しかし、CFD取引は差金決済なので、決済するまではなんの価値もありません。
一見すると株価指数や株式を売買しているように見えますが、CFD取引は実物資産を持たないからです。
※CFD取引は資産ではない。あくまで差金取引。
そのため、円安対策としてドル建てCFDを持つことは意味がありません。
また、ドル建てのCFD取引は取引手数料やスプレッドもドルのため、円安になると取引コストが高くなります。ただし、これは現物株でも同じです。
CFD取引はポジションを持っていると金利コストが発生します。金利調整額、オーバーナイト金利、ファンディングコストなどと呼ばれるものです。
これまでは世界的に低金利の時代が続いていたので、金利コストは押さえられていましたが、これから金利が上げられていくと、金利コストも大きくなります。
CFD取引には厳しい時代となりそうです。
CFD投資におすすめの証券会社です。
① IG証券
IG証券はFX、バイナリオプション、CFDなどのリーディングカンパニーです。様々な金融商品を幅広く取り扱っており、持っておくと便利な口座です。
日本国内で開設できる証券会社の中ではCFDの種類と銘柄数が圧倒的に多いです。特に株式CFDの取り扱い銘柄数が多く、個別株でCFD投資するなら必須の口座です。日本株、米国株のどちらも取り扱いがあります。
IG証券の口座はFXや債券なども取引できるオールインワン口座です。ノックアウトオプションなどの新しい商品もあるので持っておくと便利です。
② GMOクリック証券
GMOクリック証券ではCFDの他、株の現物・信用取引、投資信託、FXなどを幅広く取り扱っています。個別株CFDは米国株の取り扱いのみで日本株はありません。
取引手数料が0円のため、特に米国の個別株でCFD投資するなら必須の口座です。マイクロソフト、アップル、ディズニー、ナイキなど、代表的な銘柄をCFDで買うことができます。
シンプルな取引ルールとアプリ画面のため、初心者にはおすすめの証券口座です。まず小さくCFD投資を始めてみたいという人はここから始めると良いと思います。
③ 楽天証券
つみたてNISAなど投資信託の購入で楽天ポイントがもらえることで有名な楽天証券でもCFDの取り扱いが始まりました。株価指数CFDと商品CFDの取り扱いがあります。
FX取引ツールでお馴染みのMT4(Meta Trader 4)をプラットフォームとして採用していることが特徴です。MT4を使ったことが無い人にとってはとっつきにくいかもしれませんが、馴染みがある人には利用しやすいと思います。
MT4ではテクニカル分析や、それに基づいて自動売買をすることも可能です。CFD取引で自動売買Botなどを利用したい場合には利用メリットがあります。
④ ひまわり証券
FXの自動売買で有名なループイフダンやくりっく株365の自動売買であるループ株365など、自動売買で定評のある証券会社です。
くりっく株365の株価指数はループ株365を使うこともできますし、使わずに1枚ずつ取引することもできます。ループ株365は複数本の発注を出すため多くの資金が必要なので、初心者の場合はまずマニュアルで1枚ずつ取引するのがおすすめです。
くりっく株365は店頭CFDと比べてレバレッジが高いため、少額で大きな利益を狙いたい人にもおすすめの口座です。